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2022年3月8日火曜日

なぜ日本の漫画には主人公の親が登場しないのか

 日本の漫画ファンの外国人に「なんで日本の漫画に親、特に父親は出てこないの?」と聞かれたことがある。最初は著者も分からなかったが日本を観察していくうちに段々とその理由が解ってきた。なぜなら日本人たちにとって親とは存在感の薄い人物だからだ。ほとんどの日本人は親に甘ったれてるにも関わらず親への関心が薄いのはなぜか?それは日本人にとって親子の関係は利益の関係でしかないからだ(愛情がない)。

著者はそれほど漫画やアニメのファンではないが今まで見てきたものには確かに主人公の親が登場することは稀である。存在していたとしても単なるサブキャラ(もしくはそれ以下)で存在感は非常に薄い。特に父親はその傾向が強く、存在自体語られない事が多い。日本の漫画家たちはそんなに父親が憎いのか?実は憎いのではなく、父親の印象があまり記憶に残ってないことが原因である。日本人の労働時間は世界的に見ても長いことは有名だ。賢い人ならもうお分かりだろう。この長時間労働のせいで親が子と接触する機会があまりなく、親子の愛情を薄めているのが要因だ。さらに日本では能力だけで他人を評価する風紀があり、テストの点数や部活動の実績のみで子供を褒める親が多い。要するに目立った能力が無い子は親の愛情を全く感じることが出来ないのである。むしろ勉強ばかり押し付けてウザい、という気持ちの方が強い。他国では親子で一緒に遊んだり、食事したり、外出するのは楽しいことと認識されてるのに、日本では楽しいどころか憂鬱だと感じてる子が多い。「親なんてうるさいセミみたいなもの」というのが日本の子供達の本音である。だから日本人にとって親は「ただ血のつながりがある人」だけなのである。日本の親が子に唯一できる愛情表現と言えばお小遣いだけである。しかしそれだけで親の印象は良くならないだろう。そんなのはただの金づるであり、存在感の向上には繋がらない。社員が社長に愛情を抱くわけないだろう。
とにかく。日本の歪んだ価値観が国民の生活のバランスを崩しているのは確かだ。なのにこの腐った価値観を正当化し維持しようとしてる奴の思想がわからない。一度染みついた文化はそう簡単には消えぬということか。